IWC総会開幕、正念場の日本提案で谷合副大臣ら発言  

2018年9月12日

IWC総会でスピーチをする谷合農林水産副大臣(モニター中央)

 第67回国際捕鯨委員会(IWC)総会が10日、ブラジル・フロリアノポリスで開幕した。議長は森下丈二日本政府代表が務め、冒頭、主催国ブラジルの環境大臣のステートメントに続き、閣僚が参加した豪州、日本からの発言が認められた。日本は、谷合正明農林水産副大臣と岡本三成外務大臣政務官がIWC改革を目指す「日本提案」と持続的な鯨類資源管理に向けた強い姿勢をアピールした。
 谷合副大臣はIWC組織に関わる日本提案を「機能不全に陥っているIWCにとって、真に重要な課題について議論する機会を与える提案である。日本は30年以上にわたり、鯨類資源管理に真剣に取り組んできたが、IWCが意思決定を行えていない状況を解決する画期的提案である」と述べた。
 岡本政務官は「捕鯨支持国と反捕鯨支持国という価値観の違うグループが共存する道筋を探る日本にとって、大きな覚悟の表れ。共存する意思があるかどうかを確かめるものでもある」と強調した。
 豪州は「商業捕鯨を認めるような内容は認められず、日本提案を支持することはできない。先住民生存捕鯨枠も決定できIWCはきちんと機能している。商業捕鯨は過去のものだ」と反論した。
 日本提案はIWCの決議規則の緩和と資源豊富な種に限り商業捕鯨再開を求める内容でコンセンサス合意を目指している。[....]