<FAO便り[120]>渡辺浩幹・FAO上席水産専門官/SOFIAの提言「理想の漁業像」

2020年10月15日

昨年行われた持続可能漁業シンポの冊子

 前回、「世界の漁業・養殖業の現状(世界漁業・養殖業白書)」(通称SOFIA)の2020年版を紹介させていただきましたが、その締めくくりとなる「21世紀における漁獲漁業の新しいビジョン」の部分が、紙面の都合もあり中途半端になってしまいました。8つの課題については言及しましたが、それらへの対応策について言及する余裕がありませんでした。この提言は、昨年11月に開催された「水産業の持続可能性に関する国際シンポジウム」の結果に基づいています。

 以下、それぞれの課題に対する対応策を列挙していきたいと思います。

 【課題1】世界的および地域的漁業における生態学的持続可能性の達成。

 ・アセスメントとモニタリングの促進による資源と漁業の透明性向上。

 ・より簡便な資源アセスメント手法の開発奨励。[....]