2019年1月1日
水産改革法が成立し、新しい資源管理が始まる。日本周辺の海を再び豊かな海にするには何が必要か。資源評価を担う水産研究・教育機構の宮原正典理事長、日本にサステイナブル(持続可能)なシーフードを根付かせたいと活動するシーフードレガシーの花岡和佳男社長、シェフらとともに海の未来を考えるシェフス・フォー・ザ・ブルーの佐々木ひろこさんの3人が日本の魚の未来を語り合った。
◇司会/水産資源の改革は、法改正の“一丁目一番地”に位置付けられています。これからの日本の新しい資源管理を考える第一歩として、水産の世界以外の方の声も交え、話していただきたい。
◆宮原氏/サンマは、昨年は獲れたというが、前年よりはいいという程度。サバだってよくなったといわれていますが、まだ小さいサバが中心。大きなサバはノルウェー任せという状態です。全体的にいえる問題は、日本は小さい魚を獲りすぎていること。
◆花岡氏/生産者自身がいちばん分かっているはずですが、問題はどこまで獲ったらいいのか、資源をどこの水準にするかという目標がないからじゃないですか。魚が少し増えてくると「よっしゃ獲り時」と獲ってしまう。やっぱり「目標」をもって獲るようにしないと、今の悪循環は変えられない。
◆佐々木氏/一緒に活動しているシェフは客単価2万円以の「ファインダイニング」分野の若いシェフですが、彼らはとても熱心。そのシェフの間で今、魚が獲れなくなる危機感がとても強い。[....]