<魚食にっぽん[114]>いなせり市場/コロナ対策で緊急増強

2020年7月27日

出品者、消費者のどちらもがスマホで簡単に操作可能な「いなせり市場」

 新型コロナウイルスによる外出機会減で外食産業の水産物需要は低迷する一方、活況を呈したのがネット通販(EC)だ。ただ、好業績を上げたのは消費者向けの販売網をすでに構築していた一部の専門業者で、中小の外食事業者が主要な販路だった卸売市場の水産仲卸などは対応に苦慮していた。そんな事態を打開するため、東京・豊洲市場の東京魚市場卸協同組合では、組合公認の一般消費者向けECサービス「いなせり市場」の緊急増強に踏み切った。横田繁夫常務理事にその狙いを聞いた。

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 東卸公認の飲食事業者向けの公式ECサービス「いなせり」(いなせり?運営)から派生した、一般消費者向けの「いなせり市場」は5月半ばから、消費者向けの鮮魚ボックスの販売を始めた。豊洲仲卸直伝の捌き方や食べ方などの動画配信も同時に行うと、テレビの情報番組に取り上げられた反響も手伝い、ページ閲覧数・注文数とも以前の4?5倍に膨らんだ。[....]