<魚食にっぽん>[107]/魚にプラス、醤油の力再発見

2019年12月23日

寿司を作った岡田店主(左)と醤油を監修した高橋代表

 魚料理、特に刺身や寿司をおいしく食べるには、醤油の存在が不可欠だ。ただ、魚の種類や産地、季節などに持論を押し通す人も、醤油についての一家言とは、お気に入りのメーカーぐらいだろう。しかし、魚に合う醤油の種類を追い求めると、既成概念が覆った。

 刺身や寿司を食べる際の醤油とは、多くが濃口醤油を採用しており、刺身醤油(定義はないが再仕込醤油など)も好まれる。東京都文京区の寿司店「酢飯屋」の店主・岡田大介さんと、醤油専門店「職人醤油」(本社・群馬県前橋市)を運営する高橋万太郎代表は、「寿司に最適な種類の醤油は、ネタで異なるのか」という発想から、挑戦企画「一魚一醤(いちぎょいっしょう)」を共催している。煮アナゴとの相性を探る回を取材した。

 参加した11人は、醤油の色が薄い「白醤油」、素材の持ち味を生かす「淡口(うすくち)醤油」、甘みをつけた「甘口醤油」、万能タイプの「濃口醤油」、醤油で再度仕込む「再仕込(さいしこみ)醤油」、少ない仕込水でうま味を凝縮させた「溜(たまり)醤油」で作られた6種類の煮アナゴを、にぎり寿司にして食べ比べた。[....]