<魚食にっぽん>[94]斬新なアイデア商品で魚食普及

2018年11月26日

「対ひとり晩酌訓練用イセエビ」を企画開発した京谷部長(左)と上ケ嶋さん

 あまり魚を食べていなかった層に魚食を普及させるのは至難の業だ。まずは魚に興味をもってもらうために、新たな切り口の商品を提供することで魚食普及につなげようと取り組む企業がある。浜松市に本社を置き、マグロを中心に鮮魚全般の仕入れ販売を行う?海商だ。遊び心を加えた商品を展開する開発などについて、同社東京営業所の京谷隆徳企画営業部部長と上ケ嶋静香さんに話を聞いた。
 「月に2個売れたらいいかなという計画で出したのが、第1弾の『対ひとり晩酌訓練用イセエビ』。フタを開けると、1か月で販売数量の400個を完売した時はこちらが驚いた」と京谷部長。この商品は20?30代の未婚男性をターゲットに、プラモデルを組み立てるようにイセエビの活け造りを自分で作ることができるキットだ。
 商品はホームページでしか販売していない。2年前に販売を強化するために立ち上げたのが企画営業部で、部署立ち上げに伴い全面リニューアル、今や17万ページビューを超えるまでになった。
 部内の企画アイデアをもとに実際に商品化し、マーケティングなどを行うアートディレクターの上ケ嶋さんは、第1弾の商品の販売にあたり、さまざまな策を講じた。「プラモデル愛好者の交流サイト(SNS)にアクセスし『いいね』を付ける。するとこちらのサイトにもアクセスし商品を見てもらえる機会ができた」と、商品コンセプトに合致する層への直接アプローチが功を奏したことを説明。[....]