<福島原発取材記/11年目の今とこれから?>膨大なタンクの数に圧倒 

2022年4月6日

100メートル地点から撮影した1号機建屋

 まずは入退管理施設に向かった。立ち入りは厳しく、本人確認と指紋提出のほか、手荷物検査と金属検査も受けた。一連の流れを終えると1人ずつ入り口にある狭い金属製ゲートをくぐり、やっと施設内に入ることができた。取材団のメンバー全員が手続きを終えるのに要したのは約30分。テロリストなどの侵入を防ぐためという。

 次に導かれたのは内部被ばく検査。原発に近づいた前後の状態を知るために必要で、いすがセットされた機械に座ると、1分ほどで測定が終わる。結果は当たり前だが、メンバー全員が適正値内。仕事を終えたと思われる作業員も続々と検査を受けていたが、同じ結果だった。

 チェックを終えると、この建物で唯一窓がある部屋という7階の視察ルームに通された。窓からは巨大なタンクが敷地を埋め尽くす様子と、その奥に静かにたたずむ1?4号機の建屋が見えた。原発を初めて見た感想よりも、まず膨大なタンクの数に圧倒された。[....]