<次世代の漁業・養殖>AIが後押し、かっこいい漁業

2018年1月1日

イケスにカメラを設置しブリの尾数や体長など計測するNECの養殖システムのイメージイラスト

 養殖など漁業の現場でICTやモノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)を活用した取り組みが始まっている。遠くない未来の「ドラえもん的漁業」につながる第一歩、紹介する。
 養殖漁業の売りの一つは安定品質。餌をとってもアジ、サバ、イワシなどの生餌に加え、配合飼料とさまざま。配合飼料のスペックは無限と思えるほどの選択肢がある。給餌回数も毎日の養殖業者もいれば、週に数回と限定的な人も。水温や海況に応じ変える必要もあり、何が最適なのかを導き出すのは容易ではない。それを導き出すのに期待がかかっているのが、ICT、AIの最先端技術だ。
 具体的には「給餌量、給餌方法の情報管理」と「在池尾数とサイズ管理」の2つが、課題として挙がっている。年間養殖ブリ約200万尾を生産する鹿児島・JF東町(あずまちょう)漁協では、農林水産技術会議の事業で2016年度から水産機構中央水産研究所、南日本情報処理センター、日本電気(NEC)と一緒になって取り組みを始めた。NECではイケスにカメラを設置し、ブリの尾数と体長計測システムの開発を手掛けていて、19年10月までには一定の成果を発表する予定だ。
 長崎県でマグロを養殖する双日ツナファーム鷹島を子会社とする双日ではNTTドコモ、電通国際情報サービスとともに研究を進めており、給餌の最適化と、在池尾数の手動ではない計測方法の確立に取り組んでいる。[....]