<東日本大震災10年>千葉県水産業/深く刺さった“風評被害”

2021年3月12日

復旧した岸壁に係留される漁船(飯岡漁港)

 東日本大震災から10年。全国有数の漁業基地、水産加工基地を抱える千葉県は岩手、宮城、福島県などに比べれば水産業の受けた被害は小さいが、残った爪痕は深い。特に津波の影響と原発事故に伴う“風評被害”が大きかった。漁港や漁船の損傷、水産加工場関連施設の損壊などハード面の復旧は進み、どうにか震災前の状態に戻ったが、風評被害は消えることなく突き刺さったままとなっている。震災10年の千葉県水産業界を追った。

 ■ハードは復旧。

 三陸地区より被災が小規模だったこともあって漁港関連施設、大きな打撃を受けた漁船などの復旧は比較的早く進んだ。

 千葉県での被害は外房だけでなく、東京湾側にも広がった。特に大きな被害を受けたのが外房、九十九里地域。[....]