<新年カツオマグロ特集>今年はどう動く/婁小波・東京海洋大学教授

2021年1月15日

婁小波・東京海洋大教授

 刺身マグロの食シーンが一転した昨年を受け、今年の需要はどう予想できるか。水産庁の「まぐろ需給協議会」で座長も務める、東京海洋大学の婁小波教授に今後の見通しを聞いた。

 ◇今年の赤身需要は。

 ◆婁教授/コロナ禍でのマグロ販売は業務筋の低迷により、量販店が中心となる販売形態で、流通した数量は伸びた。これにより、超低温冷蔵庫の待機船問題が解消されたことはプラスだが、安すぎて台湾など外国船がストップした点が痛い。

 操業を再開した海外船の漁獲物は、早ければ運搬船で4月ごろに日本へ入るだろう。だが今年の赤身は供給不足でスタートしており、値上げせざるを得ない状況だが、今の景気で値頃感は出しにくい。必然的に赤身は当面の間、売りにくい商材になるかもしれない。[....]