<人>戸嵜駿さん/修学旅行の民泊縁でIターン漁師に 

2018年12月4日

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「やりたい仕事を見つけたら一生懸命にやるだけ」と思いを語る戸嵜さん

 Iターンも珍しくなくなった昨今だが、大阪から長崎・平戸へ移住しJF志々伎漁協に所属して漁師修行中だ。高校2年生の修学旅行先で現地に民泊した体験を通じて「(漁村生活が)何となく楽しそうだった」と感じた、ちょっとしたきっかけが大きな転機になった。
 通っていた府立北千里高校は「最終的に進学しなかったのは300人のうち2人だけ」という進学校。それでも「漁師になると決めた以上、意味もなく大学に行くと4年間が無駄になり後悔すると思った」学校を通じて修学旅行先の連絡先を聞いたところ、後に師匠となるベテラン漁師・吉住隆さんに「身一つでいいから夏休みに来い」と言われ、8月に2週間、現地に滞在した。
 「漁師になって稼ぐ」とか「やりがいがありそう」とか深く考えていたわけではない。しかし、修学旅行と違い本気の漁業に触れたことで漁師への思いは強くなった。翌年には移住して本格的に漁業の世界に入る。今も修行の毎日。定置網やかご網のほか、素潜り漁にも挑戦している。最近になって吉住さんから「あとはお前に任せた」と一人前になったと認めるかのような後継指名も受けた。
 移住後に知り合った漁協の女性職員と結婚。3か月になる長女も生まれ、休日になると田んぼや畑作業に精を出し、夜10時には就寝する生活だ。[....]