<コロナ時代・卸売市場>高・中級魚の需要に打撃

2020年8月12日

防疫対策を施しながら縮小営業している豊洲市場内の大和寿司

 世界的な大流行(パンデミック)となった新型コロナウイルスは、日本社会の奥深くまで入り込み、国民生活に前例のない規模で大きく、急速な変化を強いた。水産業界も例外なく影響を受け、緊急事態宣言につながった感染拡大の第1波が過ぎ去っても、起きた変化はすぐに元の状態には復せず、一部は定着しそうだ。水産業界における新型コロナウイルスが起こした変化と対応を取り上げて今後を展望する。

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 全国各地に無数に存在する中小の生産者が、主力の出荷先としていた卸売市場は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のための外出自粛要請のレベルが上がるに従って、都市部で営業する多数の飲食店・レストランが休業したことで大きくその購買力を落とした。[....]