<クロアチア・クオリティー?>地元の秀品認識で自信

2017年4月7日

「後の世に残るクロマグロを」と語るジェイトレーディングの神戸社長

 カリ・ツナ社で生産した「トロクロまぐろ」は、ジェイトレーディング(本社・東京、神戸治郎社長)が一手に販売している。輸出先は、主要な消費地である日本以外に、英国、米国、カタール、スロベニアなど世界中に広がっている。特に神戸社長が注目するのが、日本食や寿司の人気が急速に高まりつつある欧州市場だ。

 ただ、「輸出するにも必要なのは、まずは自国(クロアチア)内の認知度を上げること。自国で評価されないものは輸出先国にも受け入れられない」と、クロアチア国内での認知度向上にも力を入れている。「マグロ・寿司・ワインフェスティバル」期間中に開催したジェイトレーディング主催の「トロクロまぐろ・ワイン・スターシェフの競演」も、「私がほれ込んだカリ・ツナ社や、クロアチアという産地がみせるクオリティーを、ここに住む人たちにも改めて知ってもらいたい」というの思いからだ。

 イベントでは、米国・カリフォルニア州「MIKUNI」の荒井太郎さんと、カナダ・バンクーバー「ABURI RESTAURANTS」の中村正剛社長の2人の実力派シェフが「トロクロまぐろ」を使った創作寿司に腕を振るった。来場客も「本当においしい。これは特別な味わい」「ザダルには寿司店が1軒もない。地元で生産されているのにもったいないよね」と話す。カリ・ツナの社員も「多くの人が喜んでいるのを見て、マグロはいいと改めて思ったよ」と笑みを浮かべた。

 神戸社長は言う。「イベントで、地元の人は、世界に自慢できる品が自国にあることを、カリ・ツナ社の従業員たちは、自分のつくるマグロがこんなに喜ばれていることを実感できる。それこそが“クロアチア・クオリティー”であり、後の世に残るいいものをつくり出すエネルギーになるからね」。[....]