3割大きいブリ育種、水産機構が増肉係数10%改善

2019年11月6日

水産研究・教育機構開発調査センターは今年度から高成長なブリの育種を進め、2028年度までに天然種苗に比べて成長度で1・33倍、増肉係数で10%改善したブリの開発を目指す。福岡で10月29日に開催されたブリの勉強会で開発センター養殖システム開発調査グループの小田憲太朗主任研究員が詳細を発表した。

魚類養殖は成長率のよい魚を選抜する育種を繰り返すことで、高成長の系統を作り出せる。国内ではマダイ、ノルウェーではアトランティックサーモンで実績があり、5世代で2倍程度の高成長種を作り出してきた。ブリは一世代で10%程度の高成長になると見込み、3世代続けることで1・33倍の成長を目指す。魚体を大きくするのに必要な餌の量を示す増肉係数は3世代で10%程度改善し、現状の3・0を2・7にできると見込む。ノルウェーのアトランティックサーモンは5世代で20%改善した。28年度までに優良人工種苗の周年供給システムの構築を目指している。[....]