鯨料理?家52年の歴史、大阪締めで盛大に閉店

2019年5月29日

クリックで画像を大きく表示します

午後10時にのれんを下ろした大西おかみ

 大阪・難波の「鯨料理・徳家」(大西睦子おかみ)が25日に閉店した。当日はクジラ料理を愛するなじみ客ら多くの来店客で賑わった。また、大阪の食文化「はりはり鍋」を守り、広めてきた同店を取材しようとテレビ、新聞社などマスメディアが取材した。

 午後10時、大西おかみがのれんを下ろし店内に入ると、最後まで残っていた来店客が「おかみさん、ありがとう」「お疲れさまでした」と声を掛け、大きな拍手が響き渡った。涙をこぼす客もおり、最後におかみの音頭で「大阪締め」をし、「打―ちましょ」の掛け声とともに手締めが行われた。

 大西おかみは「クジラを食材として扱ってきて、クジラに出合えてよかった。賑やかに終えることができてホッとしている。クジラ料理店をやってきて幸せだったという思いが湧いてきた」と話した。

 1967年の開業以来52年営業。独自調理の鯨肉と特製スープ、ミズナなどのハリハリ鍋で人気を集め、鯨食文化の継承などにも努めていた。多くの人が閉店を惜しむのに対しおかみは「捕鯨問題に関わって以来、商業捕鯨再開が願いだった。商業捕鯨再開でクジラはもっと身近な食材となって、家庭でのクジラ料理が広がっていくと思う」と笑顔で話した。[....]