魚屋「サカナヤマルカマ」開店、産地と住宅街の課題解決

2023年5月1日

開業準備中の店舗前で上田氏(㊧から4人目)を囲む関係者ら

 (一社)鎌倉さかなの協同販売所(田島幸子代表)は4月26日、神奈川・鎌倉市今泉台の商店街に新スタイルの魚屋「サカナヤマルカマ」をオープンした。後継者不足などに悩む鹿児島・阿久根市の水産業者らと、買い物難民や生活の孤立化に直面する今泉台の住人が両者の課題を持ち寄り、魚屋の運営を通じて境遇の改善を目指す。顧問・アドバイザーは〝魚の伝道師〟として知られる元水産庁の上田勝彦氏。

 開業資金は、クラウドファンディング(CF)で調達した。田島代表は今泉台の元町内会長。そのほか、阿久根の仲買人やまちづくり会社の代表など、両地域のメンバーが運営母体の理事に名前を連ねる。

 店舗スタッフとして20~60代のメンバーが加わり、プロジェクトに共感する多くのサポーターとともに事業として続く〝まちの魚屋〟を目指す。鮮魚の仕入れは阿久根と鎌倉から始め、ビジョンに共感してくれるパートナーエリアを増やしていく予定。多様な魚種を取り扱い、その時々で獲れた魚をおいしく食べる提案をしていく。

 店頭販売のほか、市内の複数の町内会と連携し移動販売を5月下旬以降をめどに行う。魚捌きワークショップやキッズイベント、角打ち(店の一角を飲酒スペースとして仕切って立ち飲みを提供する)などの取り組みも予定している。

 品揃えは鮮魚だけでなく、惣菜や乾物・調味料も扱う。営業時間は水、木、金、土曜日の週4日で午前11時~午後6時。[....]