高速通信域拡大へ/海の情報格差解消

2021年8月30日

 衛星通信サービス大手の英インマルサット(本社・ロンドン)は今月に入り、洋上通信サービスの新たな構想を相次いで発表した。同社の既存静止衛星の数を増やし、機能を向上させるとともに、陸上の高速通信規格「5G」と地球低軌道衛星(LEO)も取り込む。船が混み合う海域や荒天時でも、常に高速で通信できるインフラ環境を拡大させることによりデジタルデバイド(情報格差)を解消し、船員の福利厚生にも貢献する狙いだ。

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 今月初めに同社が発表した次世代型通信ネットワーク「ORCHESTRA(オーケストラ)」は、港湾など5G地上局の到達範囲内にある船が陸上の通信インフラを利用できるようにする。ピンポイントで通信環境のホットスポットをつくるLEOもネットワークに統合[....]