高水温でオス化進む、東京湾磯魚で証明/東京海洋大研究チーム

2020年7月7日

 東京海洋大学は3日、山本洋嗣海洋生物資源学部門准教授らの研究チームが東京湾の沿岸域に生息するギンイソイワシを調査し、高水温によりオスへの性転換が増加することを初めて証明したと発表した。「地球温暖化や気候変動が魚類などの性に与える影響を評価・予測するうえで重要な情報が得られる」(同大学)としている。

 これまで、環境水温による遺伝型性の上書き現象は飼育環境下で報告例があったものの、野生環境下では証明されていなかった。回遊性の高い魚種では分布域を変えることで対処できるが、沿岸性魚類では仔稚魚が異常水温を経験することで著しいオス・メス比の撹乱が起こる可能性も危惧され「種の存続そのものを脅かしかねない」(同)と指摘している。[....]