養殖魚流通ビジネスモデル、JF東町とマルイチ産商

2018年10月3日

協定の締結式で握手する長元組合長(右)と平野社長

 鹿児島・JF東町漁協(長元信男組合長)とマルイチ産商(長野市、平野敏樹社長)は1日、養殖生産から加工販売までを行う「地域漁業活性化包括業務連携協定」を締結した。流通コスト削減と生産者への差益還元により養殖経営の安定を目指す新たな養殖魚流通ビジネスモデルをスタートさせた。
 日本一の養殖ブリ産地で情報通信技術(ICT)を活用したブリ養殖に取り組む東町漁協と、水産品販売に強いマルイチ産商が30年来の取引で築いた信頼関係をもとに、協定を結んだ。マルイチ産商が扱う養殖餌料で東町漁協が養殖生産したブランド魚「鰤王」のブランド力の強化を目指す。
 協定は、養殖餌料の高騰と魚価低迷で苦境にあるブリ養殖の経営安定を目指して、中間流通コストを削減することで生産者に差益を還元。関東以北、関西へ販路を拡大する一方、国際認証(ASC、GSSI)を取得し、東南アジア、中国、欧州連合(EU)などへの輸出も視野に入れる。
 福岡市のホテルで行った締結式で長元組合長は「ブリはEU、米国、東南アジアでの需要は大きく、EU関税がゼロになればグローバル魚として展開できる」と期待を表明。平野社長は「生産者と一体とり流通の無駄をなくし、差額を生産者に還元することでブリ養殖の再生産を」と、意義を語った。[....]