養殖ブリ、記録的高値続く

2022年7月14日

国内外で安定した需要の養殖ブリ

 記録的な不漁となった稚魚(モジャコ)の影響を受けて、養殖ブリの価格が高騰している。夏場は出荷業者が限られるため例年相場が上がるが、東京・豊洲市場の卸価格でキロ1500円目前にまで上昇しており、「30年以上前のブリ養殖黎(れい)明期に聞いたことがあるかないか」というレベルに達している。一方で、今年春の稚魚は豊漁で来年秋以降の供給の増加、相場の下落も見込まれており、今年池入れ分を年末から出荷する計画も聞こえ始めているという。

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 春に漁獲した稚魚をイケスで養殖して翌年の秋以降に出荷する養殖ブリだが、昨年は稚魚の北上時期が早く、結果的に記録的な不漁に終わった。生産者は人工種苗の池入れなどの対策を取ったものの、不足分を補うには至らず、例年並みの出荷量が確保されていた昨シーズンから相場は上げ基調。8月には「10年以上ぶり」という1000円を突破した。供給が増えた秋以降も1050?1100円で推移していた。[....]