養殖カンパチ年末に「天井」か、マーケット拡大受け

2019年10月29日

 養殖カンパチの高値が続いている。背景には養殖業者の一部がブリに魚種転換したことが指摘されているが、全海水の調査では9月時点の在池尾数は前年よりも1・7%減で、急減までのペースではない。じわじわと広がってきたカンパチマーケットの堅調さも要因として挙げられそうで、年末にかけて「天井張り付き」で高値のまま駆け抜けるとの見方が強い。

 カンパチ相場は昨年末からじりじりと上げ基調にあり、ことし4月ごろに在池尾数が少なくなるともう一段の上げとなった。東京・豊洲市場での卸値は前年がキロ1000円程度で推移していたところだったが、1400円近くまで上昇した。5月の大型連休にはさらに上がり1450円程度。10月には活〆で1700円程度まで高騰している。

 全海水が9月に調査した在池尾数は前年同期の1・7%減の1327万尾。ただ、今年の出荷サイズである2歳魚は4・7%減の648万尾にとどまっている。ブリは前年同期より10・0%増の3818万尾。2歳魚は19・7%増の1753万尾まで増えている。[....]