食材でも注目、クジラ大百科/国内に流通する鯨肉を知る

2019年9月27日

さまざまな部位がある鯨肉。おいしさもいろいろ。

 7月から商業捕鯨が再開され、日本沿岸で捕獲されたミンククジラや沖合域のニタリクジラなどが順次出回るようになってきた。しかし、国内に出回る鯨種や部位の特質などは意外と一般には知られていない。そこで食材としてのクジラを中心に鯨種ごとの特徴や部位ごとの特質、各国の捕鯨概要などをまとめて紹介する。

代表的な鯨肉の部位ごとの特徴を紹介する。

◆赤肉=背肉、腹肉から採れる部位。肉目も細かく刺身や揚げ物などさまざまな料理に利用できる。

◆本皮=本皮特選は背皮、腹皮から採る。赤肉と合わせて刺身で食べる食べ方が定番。本皮一級は特選より厚みが薄く、クジラ汁などに適している。

◆畝須(うねす)=下あごから腹部まで続く蛇腹状の部位。クジラベーコンの原料になる。

◆鹿の子(かのこ)=ヒゲクジラの下あご回りの肉。脂が乗っているので刺身のほかにもすき焼き、はりはり鍋などにも適す。

◆舌=さえずりとも呼ばれ、脂がしっかりと乗っているのでぷりぷりとした独特の食感と濃厚な脂のうま味がある。刺身や軽く湯がいたり、煮込んでも非常においしい。

◆尾羽(おば)= さらしクジラやおばいけなどと呼ばれ、白くひらひらした見た目。湯を掛けるとしゃきしゃきした独特の食感になる。九州では酢味噌でよく食されている。[....]