道産醤油イクラ視界良好、生産絞られ需給タイトに

2019年12月2日

漁期前予想を覆す“歴史的不漁”となった今シーズンの北海道産秋サケ。これを原料とする醤油イクラは、事前想定ほど価格は下がらなかったものの、原卵の生筋子での拡販などを背景に生産量が相当程度絞られたことで、漁期前にあった消化不安はほぼ払拭(しょく)。需給が引き締まり、順当な販売が見込まれる状況となっている。

 今期の醤油イクラはヒネ物や輸入冷凍卵が滞貨する中で新シーズンを迎えた。親について前期比33%増の来遊予報が示されたこともあり、漁期前には供給のダブつき感や販売への懸念が漂った。「昨年を下回る冷静な価格設定」(加工業者)が最重要課題とされ、消費地からは「キロ4000円台でなければ売れない」(荷受)などの“注文”も付けられた。しかし、9月の本漁期入り後の漁獲は精彩を欠いたまま推移。原魚の浜値も道集計による9月の一尾当たり単価が前年同月比3%安(オス・メス込み、1897円)となるなど、「思っていたほど下がり切らない」(加工業者)水準で動いた。[....]