道、サクラマスなど魚類養殖を事業化へ

2021年2月4日

 北海道水産林務部は「栽培漁業の推進方向」素案をまとめ、2日の道議会水産林務委員会に報告した。漁業生産の低迷が続く中、栽培漁業の一層の推進が必要との認識に立ち今後の重点的な取り組みを示し、魚類養殖の事業化など「新たな増養殖の推進」を柱の一つに据えた。道総研と連携し、成長に優れたサクラマスの種苗開発と技術移転による種苗供給体制の整備などに取り組み、魚類養殖を道内に定着させる。今後、市町村や漁協などの意見を聞きながら年度内に推進方向を策定する。

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 道内では40年ほど前にサクラマスやヒラメなどの養殖を開始し、1997年のピーク時には約160トンが生産されていたが、輸入水産物の増加や魚価の低迷などから事業化に至らなかった。しかし、近年は秋サケ、イカ、サンマなど回遊魚の不漁を背景に、道内でも試験的にサケ・マス類の養殖に取り組む地域がみられるなど、養殖への期待が高まっている。[....]