近大がEP育ち「クロマグロ」を8月から本格発売

2019年7月25日

「クロマグロの持続可能性にも取り組みたい」と話す升間所長(中央)

 近畿大学は23日、東京・中央区の同大学東京センターで、エクストルーダーペレット(EP)型の配合飼料のみで養殖した近大マグロを8月から出荷すると発表した。同大水産研究所の升間主計所長は「2002年にクロマグロの完全養殖に成功したが、餌は完全ではなかった。配合飼料での養殖に成功し今後ますます取り組みを前進させたい」と、持続可能な養殖に貢献していく考えを強調した。

 水産養殖種苗センターの岡田貴彦センター長が開発の経緯について説明。完全養殖マグロの研究と同時並行で進められた飼料研究は、08年の養成試験で生残率、増量率ともに生餌に劣り一度は開発を断念したが、マリノフォーラム21のクロマグロ養殖用餌料高度化促進事業に日清丸紅飼料?と共同で参加したことを機に再チャレンジ。15年から和歌山・串本の養殖漁場で配合飼料化に取り組む中、生残率でも成長比較でも生餌と大きな差がない配合飼料の開発に成功した。[....]