農林水産・食品産業、「安全」で就業者増やす/農林水産省

2020年4月28日

末松事務次官(中央)らが参加したパネルディスカッション

 農林水産業および食品産業の死傷災害を減らすため、農林水産省は所管業種の垣根を越えた作業の安全対策を検討している。23日には農林水産省のホームページで、有識者によるシンポジウム(無聴衆で開催)の動画配信や、作業安全に貢献するスマート技術が公開された。末松広行農林水産事務次官は同日のウェブ会見で「安心して働ける職場にして、若者に未来を託せる産業にする」と事業の背景を語った。

 業種を横断した作業安全対策を行う理由は、各産業の事故率の高さにある。2018年の災害発生率で比較すると、全産業の平均が0・23%で、一般に事故が発生しやすいとされる建設業が0・45%。対して水産業は1・27%、林業2・24%など、農林水産業・食品産業は総じて値が高い。就業者の減少や高齢化に加え、経験の浅い非正規従事者や外国人材が増えることで、さらなる増加も示唆される。これが若者の就業動機を奪いかねないと懸念する。[....]