輸出サバがエジプトで相次ぎコンテナストップ

2019年9月30日

 政府が農林水産物食品の輸出1兆円を目指す中、昨年267億円を輸出したサバの主要国の一つエジプト向けが滞っている。理由は明確にされておらず、輸出業者は国の働き掛けによる打開策を望んでいる。水産庁は「エジプト側に話し合いの申し入れをしている」と説明するが、協議の開催時期などは未定だ。25日に開かれた全国養殖魚輸出振興協議会の総会に続く意見交換会で明らかになった。

 日本の輸出業者によると、エジプト側がサバの受け取りを拒否する例がみられるようになったのは2年ほど前からで、ノルウェーやオランダ、アイスランドも対象に、アニサキスがいる可能性などを理由としているという。このため輸出に際し同趣旨の証明書発行などを求められることがあるが、該当する証明書を発行する機関はなく、輸出している魚は冷凍品で「マイナス20度C以下で24時間以上保存する」という基準もクリアしているため、安全衛生上は問題ないというのが日本側の立場だ。

 エジプト政府はアニサキスがいた場合にはシップバックもしくは廃棄処分としており、日本の貨物もすでに100コンテナ(約2500トン)はシップバックを求められたという。[....]