豊洲・専門家会議が無害化で空転、追加対策審議できず

2017年5月22日

豊洲専門家会議をいったん停止するよう発言する早山理事長(右)

 豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議(座長・平田健正放送大学和歌山学習センター所長)の第6回会合が18日、東京・築地市場で開かれた。安全確保の強化を目指す地下ピットのガス侵入防止策、地下水管理システム強化などの追加対応を協議する予定だったが、平成23年の都による「無害化」の議会答弁の認識をめぐり傍聴席が追及して会議が空転。審議に至らず休会した。
 中断は、前回会議の懸案事項や地下水管理システムの稼働状況、専門家会議が指示した調査の最新の結果まで確認した時点、傍聴していた水産仲卸業者らから「前回までの方針がわれわれに納得されていないのに、議事を進めるのはいかがなものか」などの声が上がったのをきっかけに不平・不満が噴き出した。特に用地を「無害化」するとした23年の都の都議会答弁が、専門家会議がまとめようとしている提言で軽視されようとしている受け止めた批判が集中。平田座長は「現状のリスクをどう低減すれば築地の方々が納得できるかを考えるのが役目」と改めて伝えたが、反発は続いた。
 空転が約3時間に及んだところで、東京魚市場卸協同組合の早山豊理事長が傍聴席から「いったん会議の停止を」と呼び掛けた発言を契機に、休会が決まった。[....]