見える化やスピードを?水産機構が新資源評価を論議

2019年2月14日

 水産研究・教育機構(宮原正典理事長)は12日、東京・大手町サンケイプラザで第16回成果発表会「水産業の成長産業化と資源研究?資源の回復を目指して」を開いた。科学機関として独立性を確保しながら、政府の水産改革の柱である新しい資源評価に対応するための課題を議論、資源評価と現実の時間差、長期目標と現実の落差、科学者と漁業者とのギャップの解消が課題に浮かび上がった。

 全体討論では、宮原理事長が「今後の資源評価でいちばん大事なことは、資源を安定化させ、将来どこまで増えるのかをみえるようにすること」と話し、田中健吾理事が「今までは資源を減らさないことだけを考えて獲り続けてきたが、これからは獲る我慢と増やす努力をし、いちばん魚が多く獲れるところまで資源を増やす」と説明した。

 資源評価と現実の時間差について宮原理事長が「太平洋クロマグロの資源はよくなっているが、資源評価は2年遅れる。漁獲枠が現場とパラレルなスピードで増えないと現場がきつい。リアルタイムのデータ収集が大事だ」と指摘。全国水産試験場長会の村山達朗会長(島根県水産技術センター所長)が「モニタリングしながら、簡単な指標で迅速に臨機応変な対応できる仕組みが必要」と指摘した。[....]