自動給餌施設を拡張、新日鉄エンジ鳥取・弓ヶ浜高度化

2018年12月21日

境港沖合に建設し拡張工事を完了したプラットホームと養殖イケス

 新日鉄住金エンジニアリング(株)は、日本水産グループの弓ヶ浜水産に導入された鳥取・境港沖の着底式大規模自動給餌施設の拡張工事を完了、洋上のプラットホームに貯蔵できる養殖用餌量を3倍に拡張し、最大で32基のイケスが賄える。今漁期は空気圧を使う餌輸送の長距離化も検証する。
 プラットホームの餌貯蔵庫から各イケスに設置した給餌機へ空気圧で餌を送る一連の作業を、遠隔操作で行うシステム。作業が陸上からできるため洋上作業の無人化に成功した。省人・省力化のほか、シケが多く現場まで船を出せない日が続いても、給餌日不足を要因とする成長劣化を起こさない。
 2016年の導入当初は最大でイケス5基に対応できる設計だった。その後に弓ヶ浜水産はイケスの数を増やし、それに合わせ施設もさらに活用しようと、餌貯蔵庫の拡張を決めた。
 大規模沖合養殖システムの実用化研究は今期、自動給餌の高度化を目的に、より遠くのイケスへも餌を搬送する実証試験を行う。これまでは約500メートル先のイケスまで餌を送ることに成功して、実際の養殖生産に利用中だが、今期は搬送距離を1キロ超まで伸ばす。耐久性や搬送後の餌形状の変化のほか、システムの費用対効果についても検証する。[....]