築地83年に幕豊洲で新たな歴史、市場で惜別あいさつ

2018年10月10日

卸5社を代表してあいさつする吉田・築地魚市場社長(中央)

 東京・築地市場の最終営業日となった6日早朝、場内の主な卸売場で閉場にあたってあいさつが行われた。生鮮マグロ卸売場では水産卸5社の社長と水産仲卸の最大勢力である東京築地魚市場大物業会(大物業会)幹部が、思い出深い場で最後の手締めを行った。11日から豊洲市場で営業が始まる。
 マグロのセリ人や仲買人が見つめ、48社112人の報道陣がカメラを向ける中、10月の5社当番を務めている築地魚市場の吉田猛社長が口を開いた。83年間稼働してきた築地市場の名声は市場に人生を賭して働いてきた「偉大な先達や諸先輩の方々」の尽力、膨大な荷を日々出荷した「全国の荷主さんの力だ」と強調。築地を信頼して魚を買ってくれる買出人と消費者、市場関係者全員に「お礼と感謝を述べたい」と語った。
 大物業会の横田繁夫会長は「生産・出荷する方々、卸会社、『目利き』でお客さまのニーズに応える仲卸があり、集結したことで、築地ブランドが構築された」と、惜別にあたって改めて振り返った。
 手締めの音頭は大物業会前会長で相談役の早山豊東京魚市場卸協同組合理事長が担当。「知恵と『目利き』の力をそっくり新市場(豊洲市場)にもって行こう。新しい歴史を創(つく)っていこう」と呼び掛け、魚河岸恒例一本締めで、“育ての親”・築地市場と生鮮マグロ卸売場との別れを惜しみ、最後のセリは築地魚市場が集荷した大間産本マグロ162キロ物が1本値438万円でセリ落とされた[....]