築地卸取扱3年連続減の4556億円、大衆魚など不振

2018年4月4日

 東京・築地市場水産卸7社の2017年度取扱高がまとまった。数量は9年連続減の46万6575トン(4・5%減)。魚価高の恩恵も限定的で、金額は3年連続減の4556億7000万円(1・2%減)だった。マグロ一船買いが振るわず、低単価の輸出中心となり、兼業でも前年割れとなった。

 鮮魚では天然大衆魚の不振が際立った。養殖魚の需要増に生産がついていけず、薄利を強いられた。マグロは赤身の減少が響いた。後半はいくつかの魚種で相場が軟調に転じた。特種・活魚は業務筋の底堅い需要を背景に比較的順調。塩干はシラス干が売り上げを積み上げた。

 中央魚類は1119億7500万円(0・1%減)。「サンマ、イカなどの不漁が響いた。

 大都魚類は金額898億4800万円(1・0%減)。「鮮魚の入荷の不安定さ」を、冷タコ・イカの上げ相場、養殖本マグロの扱い増で一定程度補った。東都水産は848億7100万円(1・4%減)。マグロが不振で、高値で動きが鈍かった冷凍魚やサケ・マスも前年を割った。

 築地魚市場は699億2000万円(3・0%減)。「塩冷部、マグロ」で大幅マイナス。丸千千代田水産は470億200万円(2・3%増)。7社で唯一のプラスには、シラス干の伸長、蒲焼ウナギ、佃煮などの商材の伸びが貢献した。第一水産は464億1800万円(2・9%減)。[....]