築地・豊洲を両論併記、市場問題PT報告書素案を提示

2017年4月28日

市場問題PTの第8回会合。小島座長(最奥)が報告書素案を説明した

 東京・豊洲市場問題を検討する都の市場問題プロジェクトチーム(PT、座長・小島敏郎元青山学院大学国際政治経済学部教授)は26日、都庁で第8回会合を開き、これまでの議論をまとめる第1次報告書の素案を初めて示した。卸売市場のあり方とともに、豊洲市場移転案と築地市場改修案を両論併記。小池百合子都知事が最終決定するための判断材料を「経営戦略」の視点を中心に整理した。

 「卸売市場のあり方」では、市場の取引量減少や役割の低下を背景に「経営戦略の確立」が必要と指摘。「青果は豊洲移転・水産物は築地市場改修で営業」という青果と水産の機能を分離した選択肢や、都内11市場の再編シナリオを視野に入れた議論があり得るとした。

 「豊洲市場移転案」では、すでに投資した設置費用5884億円だけでなく開場後も総額6000億円を超える維持管理・設備等更新の費用がかかると試算。営業収入147億円、うち市場使用料収入110億円で運営が成り立つのかと疑問を呈し、「経営戦略なき巨大卸売市場」と指摘した。

 「築地市場改修案」では新しい築地市場を創造すると打ち出した。建築技術的には問題ないとした。

 築地改修案を示した竹内昌義委員(東北芸術工科大学教授)と、懐疑的な佐藤尚巳委員(佐藤尚巳建築研究所代表)が激しく議論を交わす場面もみられた。[....]