笹カマボコがサンリオとコラボ、阿部蒲鉾店社長に聞く

2018年4月6日

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「企画商品など積極的に投入したい」と語る阿部社長

 仙台の名産品として不動の地位を築き上げた笹カマボコは、少子高齢化を背景に市場規模そのものが縮小。人手不足の深刻化、諸コストの膨張なども重なり、製造元の業績は総じて下降線をたどっている。逆風の中、いかに収益改善を図るのか。老舗・阿部蒲鉾店の阿部賀寿男社長に聞いた。

 ◇問い/今年度の目標は。

 ◆阿部社長/新規出店、退店は一つずつの予定で、直営店の体制は約30で変わらない。旗艦店の一つ(駅ビル)が改装のために休業を余儀なくされるのは痛いが、最低でも昨年並みの売り上げは確保したい。

 新しいお客さまを呼び込むため、さまざまな企画商品を積極的に投入したい。例えば先月発売した「はろうきてぃのさくらチーズボール」。サンリオの人気キャラクター「ハローキティ」と初めてコラボした商品で、一部店舗と通販で限定販売したところ、予定の2000箱がわずか半月で完売した。普段買わないような若い人も目立ち、客層を広げるきっかけにはなったと思う。定番商品に磨きをかけつつ、新しい企画をどんどん実行すること。決して楽ではないが、それが新しいお客さまを呼び込む一手になる。

 原材料をはじめ、包装資材の価格、物流費などのすべてが上昇基調にあり、業界全体に値上げの機運が高まっているのは確か。人手不足への対応も急務になっている。新卒者の応募人数は減少傾向にある。特に高校生。工場の職人と直営店の販売員はできるだけ若い人を採用し、じっくりと育てたいのだが、本当に集まりにくくなってきた。入社した人材の定着化とレベルの向上、そして効率的な事業体制の構築。こうした取り組みを従来にも増して推し進めていく必要がある。[....]