第151欣栄丸竣工/濱川社長、変化に対応し船団維持

2018年7月24日

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欣栄丸の将来展望を語る濱川社長

 10年ぶりの新造を決意した濱川幸雄社長に、欣栄丸船団の将来展望を聞いた。
 中古船を充てていたが、ようやく新船に投資できる環境になった。これまでの燃油代や魚価に募る不安要素が好転の兆しをみせている。何よりもマグロ資源の回復が顕著だ。10年以上たった今、大西洋や南インド洋などで、資源が増えていると思わせる漁がある。
 (「厳しい時代」といわれても、マグロ船は11隻を有している)船を減らし余剰分を運転資金に充て、「もうけた時にまた造ればよい」という考えはなかった。「何くそ」と言える健康体でいられた。この反骨精神こそが人間のなせる業。船団を維持し続けたことで、魚群分布に即応できる多くの目をもち、漁場を広く使い、現在の経営に結び付いている。
 近海から沖合、遠洋へと歩んできた歴史がある。今も船を残せているのは体力があるからではない。その場の状況に応じて適切な対応ができる、適応力を身に付けてきたからだ。
 遠洋にも近海にも軸足をもち、遠洋漁場も太平洋からインド洋、大西洋と所有船を分散することで、時代にも生き残る体制を整えてきた。日本は四方を海に囲まれている。海に精魂を込めて生きる。[....]