2020年3月31日
昨年7月、31年ぶりに商業捕鯨が再開した。初年度を振り返り、現状と課題、そして国が描く商業捕鯨の姿について、山里直志水産庁資源管理部国際課長に話を聞いた。
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■長年の空白埋める順調なスタート。
昨年は31年ぶりの捕鯨業の再開ということで、内外の注目を集め、操業する方もどうなるかと手探りの出港だった。
7月から12月までの半年の操業だったが、沿岸捕鯨、母船式捕鯨のいずれも順調に操業が行われ、ほぼ設定した捕獲枠を獲りきり、全体として非常に順調なスタートが切れた。また、捕獲した鯨肉は市場関係者からも好意的に受け止められた。7月に宮城・仙台港には、試験的に母船式捕鯨の生鮮のニタリクジラが供給されたが、非常に高い評価を受け、相場もよかった。商業捕鯨モラトリアムから大型鯨類の捕鯨業の再開に至るまで31年という[....]