秋漁主要5種、サバ主役期待もサケなど苦戦に買気強く

2017年8月21日

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秋漁主要魚種の来遊見通し

 秋に盛漁期を迎える主要魚種の来遊見通しが出揃った。近年来遊量の多いサバは加工向きのサイズへの成長が見込まれ、日本沿岸に来遊しやすい海況と合わせ、今秋漁の主役となりそうだ。サンマも全体としては昨年を下回るが、主力となる漁期前半の漁獲で昨年を上回る見通し。サケは北海道で昨年を下回り、スルメイカも回復が見込めず、戻りガツオも数年前までに比べ漁期が短い。原料払底状態だけに漁期序盤からの強い引き合いと価格高騰が予想される。
 道東の暖水塊の影響は少なく、サンマ、サバとも日本沿岸へ来遊しやすい海況にある。漁場は昨年よりも沿岸に近くなり、操業しやすい環境から、入港する回数も増えることが期待される。サバは350グラム前後の組成に達する見通し。加工に使える魚は多くなりそう。どこまで相場を冷やし、サンマが好漁を続けるか期待がかかるが、越年在庫不足で前浜物の高騰は必至だ。
 一方、北海道の秋サケ来遊見通しは平成以降最低の記録的不漁に終わった前年比3・8%減の2481万尾と厳しい予測だ。海区によっては再生産用親魚の確保も難しい状況となっている。[....]