福島産水産物価格全国平均割れ続く、農水省調査を公表

2018年3月30日

 農林水産省は28日、福島県産農水産物などの販売不振の実態と要因を調べた「福島県産農産物等流通実態調査」の結果を公表した。同省による調査は東日本大震災後初めて。水産物もカツオ、コウナゴ、ヒラメ、カレイ類などを対象に行った。農水産物全体が震災前の価格水準まで達していない中、マガレイなど全国平均を下回る水準を抜け出せていないことが明らかになった。

 福島県の水産物は、沖合底びき網漁業を含む県沿岸で行われている漁業が自粛による試験操業中であるため、小売業者の取り扱いは限定的になっている。そのような状況にあっても、震災前は”常磐物”として首都圏の消費地市場で高く評価されていたマガレイ(2014年8月開始)、ヤナギムシガレイ(13年4月開始)などは、東京都中央卸売市場の価格推移をみると全国平均を割る状態を抜け出せていなかった。

 ただ、ヒラメ(16年8月開始)は16年時点で、震災前と同程度。同じくコウナゴ(13年3月開始)は、全国的薄漁を受けて平均を若干上回る水準で推移していた。[....]