福島の試操終了後動向、漁獲量拡大で意思疎通不十分 

2023年3月27日

 農林水産省は22日、2022年度「福島県産農産物等流通実態調査」の結果を公表した。福島県産品の販売不振の実態と要因を明らかにする目的で17年度から始まった調査は6回目。21年3月末で福島県沿岸における試験操業が終了したあとの福島県産水産物の漁獲動向に関する調査を初めて実施。漁協ごとに漁獲量の拡大に対する意向に濃淡があり、漁業者と中間流通業者のコミュニケーションが不十分であることなどが示された。

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 調査はヒラメ、カレイ類、カツオ、マアナゴ、シラスを中心とした水産物全般に対して行い、県内の漁協や仲買業者、県内市場の卸売業者・仲卸業者・小売業者、首都圏の卸売業者・小売業者にヒアリングをした14件をまとめた。

 それによると、漁獲量が試験操業終了を機に増えている漁協と増えていない漁協で分かれた。増えている漁協では、魚市場を集約して復旧させたことによる仲買人の増加や、サイズや魚種で魚価の高い魚に絞り込んでいることにより浜値が高くなっていると分析した。[....]