福島の全海面漁業再開、7年ぶりアオノリ収穫来年2月

2017年12月1日

 福島県漁業協同組合長会が11月29日、いわき市の中央台公民館で開かれ、来年2?4月にアオノリ(ヒトエグサ)養殖業の試験操業(収穫・販売)を行うことを了承した。これにより、東日本大震災前に県下の海面で行われていた漁業・養殖業はすべて再開されることになる。今後は震災前水準に向けた増産と、販売に伴い生じる諸問題の解決が軸となる。

 収穫・販売を行うのは、相双地区の松川浦でアオノリ養殖を営んでいた68人。相馬市の松川浦漁港に水揚げして計量する。生ノリで週2回、バラ干しで月2回の集荷を予定。収穫物の放射性物質検査は、全国で最も厳しいスクリーニングマニュアルに従い、自主検査を行って監視していく。

 販売業者は、マルリフーズ、丸仁水産、サンエイ食品、相馬市磯部地区水産物流通加工業協同組合の4者。松川浦におけるアオノリ生産量は震災前に全国でも上位だった。全国的に問題となっていたアオノリ不足の解消へ寄与することが期待されている。

 JF相馬双葉漁協松川浦地区代表役員の菊池寛氏は「震災から7年目でやっとという感じ。収穫作業は2月中ごろから始まると思う」と、安堵(ど)の表情で今後の見通しを語っていた。[....]