現実味帯びる「AI漁業」

2022年1月1日

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ソナー映像からAIで魚の存在を確認する(さくらインターネット、東京デザインテクノロジーセンター専門学校の共同研究から)

 魚がどこに、どれだけ存在しているかを、出漁前に把握できる可能性が出てきた。指定した緯度経度を航行する自律式の小型無人ボート(水上ドローン)で、事前に漁海況情報を丹念に収集し、魚の存在を人工知能(AI)に判別させる。結果はリアルタイムに動画で視聴でき、陸上スタッフが費用対効果や漁獲枠などを加味して出漁の判断を下すことも、現実味を帯びてきた。

 挑戦するのはコンピューターの遠隔サポートなど、リモートツールを手掛けるTeamViewerジャパンと、海洋環境や水産資源の情報を収集・提供する環境シミュレーション研究所、データを活用した研究開発に取り組むさくらインターネット研究所の3社だ。来年度から合同で実証実験を開始する。  情報はリアルタイムに複数の人で共有して、漁獲成績に反映させる。TeamViewerは小型無人飛行機(ドローン)で撮影した映像を、遠隔地の複数人に中継しつつ、遠隔サポートツールの応用で視聴者同士の音声会話も実証した。「もっと右を映して」「そこを拡大」といった指示をリアルタイムに反映することで、撮り直しなく1回で調査を完結させた。 [....]