漁業の強制労働が顕在化

2021年8月5日

 漁業の労働問題について、国際的な議論が始まっている。現代の「奴隷労働」とも言われるこの問題に、輸入規制の実施や国連への対策提案を出す国も出てきた。マグロの資源管理を行う中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)では、漁船乗組員の労働基準に関した議論が始まり、7月13日にウェブ会議方式で開催されたワークショップで素案を提出。早ければ11月に開幕する年次会合で採択される見通しだ。

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 強制労働や現代の奴隷制については、国連の持続可能な開発目標(SDGs)にも根絶すべき問題として盛り込まれている。漁業では昨年5月、中国漁船のインドネシア人船員が死亡し海に遺棄された疑いなど、乗組員の人権侵害を示唆する報告が相次いだことをきっかけに問題が顕在化した。[....]