漁具に生分解プラで海洋ごみ対策、原田環境相ら意見交換

2019年4月12日

生分解プラ製品を前に話し合う(左から)大久保執行役員、原田大臣、岩田教授

 原田義昭環境大臣と東京大学農学生命科学研究科の岩田忠久教授、中興化成工業の大久保篤執行役員らは11日、大臣室内で生分解性プラスチックの漁具などへの応用について意見交換した。海洋プラスチックの官民イノベーション協力体制の一環で、今後は多様な生分解プラの開発と製品への応用を目指すべきだとの認識で一致。国際的な枠組みの必要性にも言及した。

 生分解プラは名の通り土中や海中、コンポスト(温度60度C以上、湿度60%以上)などの環境で分解する樹脂のこと。製品が自然環境に流出しても残存せずに分解されるため、環境への負荷低減が図れるとして注目されている。ただ、代表的な製品であるポリ乳酸はコンポスト中でしか分解されないため、岩田教授は海中でも分解性の強い「微生物産生ポリエステル」について研究を進め、レジ袋で用いられるポリエチレンなど汎(はん)用樹脂と同様の強度をもった製品の開発に成功した。

 汎用樹脂と比べ原料で3?4倍の価格になるため、製品価格での初期の導入にあたっては国の補助金などが必要との見解を示した。[....]