港内ウニ養殖で地域振興、渡島の2海域でモデル実証

2017年4月27日

水産高校生の新卒採用に向け交流を深める教員と漁業団体関係者

 北海道渡島総合振興局は、日本海漁業振興対策の一環として、今年度から木古内地域と松前・福島地域で、漁港静穏域を活用したウニ養殖を軸に、新たな漁業経営手法を導入しながら地域活性化を図るモデル実証事業を実施する。
漁船利用が少なくなった漁港の静穏域に身入りの悪いウニを移植し、餌には未利用海藻などを与えて身入りを改善。ウニのたも採り漁業を体験させたり、「ふるさと納税」の返礼品に活用したりして、漁業者の所得向上につなげたい考え。道の地域づくり総合交付金を活用し、平成29?30年度の2か年計画で実施し、その後、他地域に普及させる。

 11月には事業の円滑な実施のため両地域に漁協や町などで組織する協議会も設置。北大水産学部などもオブザーバーとして加わり、産学官の取り組みとして具体化に向けて動き出した。

  木古内地域では、ウニ養殖の餌として、大量に排出されるコンブのガニアシなどを有効利用することで、廃棄物処理費と餌料費を節減する。養殖したウニは新幹線開業という優位性を生かし、観光客に格安でたも採り漁業を体験させたり、漁港内や「道の駅」などで食べてもらったりして、都市と漁村地域の交流人口拡大につなげていく。[....]