海保庁など海洋情報を一元化、「海しる」運用開始

2019年4月19日

複数の情報を一画面に重ねて表示できる(写真は天気図と波高)

 海上保安庁は、海洋関係機関が収集・保有している海洋情報を一元化した海洋状況表示システム「海しる」の運用を17日から始めた。一般も利用できるウェブサイトで、200以上の項目から必要な情報だけを検索し一つの画面に重ねて表示できる。漁場の早期決定や安全性向上に活用が期待される。

 検索できる情報は海面水温や風速、波高のほか、漁業権情報、海上危険物、航行警報など。これまでは項目ごとに公開する機関が異なっていたが、「海しる」には海保庁や気象庁、防衛省、国土地理院ほか13の機関がデータ提供している。

 漁業ならば水温と天気図、波高、流向などの情報を一つの画面に集約し、利用者だけの海図が作れる。刻々と変化する情報をリアルタイムに取得できるうえ、予報の取得・表示も同じ画面で行えるため、操業の判断材料として使いやすい。海底地形や水深、沈船の位置、船舶の運航量といったデータ検索も可能で、初めて運行する海域では心強い存在になる。

 17日の運用開始式で国土交通省の石井啓一大臣は、「生産性の向上や新たな産業の掘り起こしに寄与する」と評価し、幅広い分野での活用に期待を込めた。[....]