水産は商材減少と価格高騰で減益、大手4社中間決算

2018年11月9日

 大手水産会社の第2・四半期の決算が出揃った。水産事業は利益商材の減少や海外まき網の魚価下落などが要因で減益。食品事業は原料価格や物流費の高騰の影響を受けるなど、厳しい内容となった。
 ◆マルハニチロ=国産魚介類の高値推移や海外の利益商材の在庫が大幅に減り減益が目立った。北米はスリ身の相場がよく、欧州水産物需要も好調だった。加工事業で青物缶詰の販売好調も海外事業でのタイ・バーツ高を受けて減益となった。また業務用食品も水産原料高などで苦戦した。
 ◆日本水産=南米サケ・マス養殖事業の稚魚斃(へい)死による影響で大きく減益。水産事業は国内漁労や欧州事業は増収増益だったが、ブリを除く国内養殖事業のコスト増や日本水産単体の苦戦から減益だった。食品事業は国内でチルド事業が好調だが原料価格上昇の影響が出始めた。フ
 ◆極洋=海外まき網事業で水揚量は前年同期を上回ったが、魚価が大幅に下落し減益となった。
 水産商事は北洋魚、エビの販売で苦戦したが、サケ・マスの利益率は改善。冷食事業は売り上げが前年同期を上回ったが、原料価格や物流費の高騰による利益率低下などにより減益となった
 ◆ニチレイ=加工食品事業は、家庭用調理品でチキン加工品や米飯類の販売拡大で増収となったが、業務用調理品は前期の大手ユーザー向け取り扱い拡大の反動減で減収。低温物流事業は、荷役作業料の上昇や再保管などの一時的なコスト増で減益。[....]