未利用干潟で有明海アサリの生産増へ

2020年4月7日

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泥干潟のパーム採苗器で生残・成長したアサリ稚貝(柳川)

 漁業生産に適さない未利用干潟を飼育適地と連携させ、アサリの生産性を向上させる取り組みが九州4県にまたがる有明海で行われている。採苗から育成、母貝保護まで、一つの産地や技術で完結できなくても、ヤシの実の繊維などを使った効率よい稚貝生産といった、浜ごとの特徴を生かし合う分業型の生産も提案。減産傾向にある有明海産アサリの生産増を目指す。

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 事業はマリノフォーラム21(MF21、渡邉英直会長)が水産庁の「有明海のアサリ等の生産性向上実証事業」を活用し、2018年度から5か年で実施している。

 長崎県島原市猛島海岸は(アサリの生活史の初期段階に当たる)浮遊幼生が着生できない、粒径の大きな石で形成された礫干潟。だが、幼生の着生が容易な砂利入り網袋を干潟に設置すると、1年半後に25ミリ以上のアサリを、一平方メートル当たり1060個採取できた。[....]