日本水産がマダコ完全養殖に成功、天然依存から脱却へ

2017年6月9日

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体調2?3センチに育った稚ダコ(60日齢)

 日本水産(細見典男社長)は8日、ニッスイ中央研究所大分海洋研究センターが、極めて困難とされてきたマダコの完全養殖の技術構築に成功したと発表した。

 同研究センターでは親ダコから安定的に採卵する技術、ふ化幼生を飼育する環境の適正化、稚ダコの飼育に適性のある餌料の開発を重ねた結果、2015年に稚ダコの人工種苗の生産に成功。16年4月にふ化した浮遊幼生数千尾から7月に数十尾が稚ダコに成長させることに成功。ふ化から7か月で1キロを超えて高い成長性を確認。9?11か月で交尾や産卵する複数の個体が見られた。その成魚由来の卵が17年4月にふ化し、数万尾の幼生が得られたため、完全養殖に成功したことになる。

 今回の成功は、最も困難とされた浮遊幼生から稚ダコまでの飼育特性の把握や、短期間での完全養殖マダコ量産化に向けた大きな一歩と評価され、西アフリカなど輸入原料に大きく依存している日本にとっては、新たな供給源の創出に期待がもたれる。[....]