日本初、ナマズの全メス化に成功/近大水産研究所

2021年5月10日

クリックで画像を大きく表示します

新宮実験場で飼育研究しているナマズ

 近畿大学は4月27日、同大学水産研究所新宮実験場(和歌山・新宮市)の稻野俊直准教授の研究グループが、日本で初めて大豆イソフラボンによるナマズの全メス化に成功したことを発表した。

 ナマズ養殖において、メスの単性養殖が実現すれば、性差による成長のバラつきを低減することで生産効率を高め、小型のオスの廃棄ロスを削減できる。また、女性ホルモンを使わないことで、より安全な、メスの価値が高いほかの養殖魚への応用も期待される。

 現在のナマズ養殖では、1年未満で出荷サイズに達するメスに比べて、オスの成長は遅く、養殖期間が長くなるため、性比がオスに偏ると、生産効率が低下する。そこで同実験場は、成長の早いメスだけを養殖するための技術開発を目的に2020年9月から研究に取り組んできた。[....]