[1075]日本の国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退をめぐる経緯について?

2019年3月13日

 日本の国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退の効力は、今年7月からになるため、再開される日本近海の捕鯨は、7月以降のスタートになります。科学調査(ランダムサンプリング)ではなく、水産庁の許可する指定漁業としての「捕鯨業」の再開ですが、30年ぶりの試みであることから、まずは、実証事業として試運転していくことになります。

 対象鯨種は資源の豊富な?ミンククジラ?ニタリクジラ?イワシクジラの3種。操業海域は日本周辺の領海および200カイリ水域。操業期間は周年です。捕獲枠は、IWCで認められている方式により算出します。

 枠の算出には大掛かりなコンピュータシミュレーションが必要になるため時間がかかりますが、作業は急ピッチで進められています。30年ぶりに再開される指定捕鯨業の枠組は、今のところ

 ?日本沿岸小型捕鯨協会に所属する5隻の小型捕鯨船団と

 ?(株)共同船舶の所有する日新丸船団による沖合操業が予定されています。

 沿岸小型捕鯨業には、これまで操業されてきた、ゴンドウクジラ、ツチクジラの捕獲枠に加え、新たにミンククジラの捕獲枠が与えられることになります。

 いずれも基地式操業で、?網走?釧路?八戸?石巻?南房総?太地の6カ所が水揚げ基地として想定されています。

 沖合の母船式操業は、共同船舶所属の日新丸船団(母船1隻、捕鯨船3隻)による操業で、母港は下関市とし、ミンククジラ、イワシクジラ、ニタリクジラの捕獲枠が与えられることになります。

 30年ぶりの捕鯨の再開になるため、今年の実証事業では、調査捕獲による知見の多い、千葉県以北の海域で捕鯨業の試験操業を開始する予定になっています。

 また、日新丸船団のうち、1隻については、北西太平洋および南極海での非致死的科学調査にあたるため、実質的な捕鯨当業船は2隻になる予定です。

(水産経済新聞社)

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